用意するフードは?

愛犬が喜んで食べてくれるフードが必ずしも良いフードということではありません。

成長期である子犬には(できれば成犬になってからも)胃腸に負担のかからない良質なフード、いわゆる“プレミアムフード”と呼ばれるものを与えましょう。

理想は今まで(ブリーダー宅で)食べていたフードと同じものですが、入手不可能な場合はドライフードで【幼犬用】や【パピー用】といった表示がある子犬用のプレミアムフードをご用意ください。

また、スーパーマーケットやホームセンターなどでは非常に安価なフードが販売されていることが多いのですが、正直言ってこれらはあまりおすすめ出来るモノではありません…。

安物フードとプレミアムフードとの品質差は歴然で、一番解り易いところでは安物のフードを食べているワンちゃんのウンチは大きくてベッタリした状態であることが多く、プレミアムフードを食べているワンちゃんのウンチはギュッと凝縮されてコロコロした状態。(臭いもかなり違います…)

要するに安物フードには消化されずに排泄物となる無駄なモノが多く含まれ、プレミアムフードにはそういったモノがほとんど含まれていないのです。

一般的に市場に流通しているあらゆるモノ(商品)は海外産品よりも国産品の方が品質が高い傾向がありますが、ドッグフードに関しては真逆で国内メーカーのフードには廉価品が多く、海外メーカ―のフードにはプレミアムフードが多いといった傾向があります。

国内メーカーのフードが必ずしも低品質な安物とは限りませんが、現在国内に流通しているプレミアムフードはほとんどが海外メーカーのフードです。

ただし、海外産のプレミアムフードであっても並行輸入品は品質劣化を起こし得る輸送手段で輸入されていることが多いので、国内向けの正規品を選ぶようにしましょう

また、補助食品(缶詰フード、粉ミルクなど)は食が細い子犬の食欲を増進させる上では役立ちますが、食欲がある場合にあえて与える必要はありません。

栄養バランスという面だけを重視すれば、“プレミアムフード”と”新鮮な飲み水”の組み合わせが最強と言えます。

1日の食事量は?

子犬を迎え入れてから最初の1週間程度は今まで(ブリーダー宅で)与えていた量と同じくらいの分量を与えるようにしましょう。

いつまでも最初の(子犬を迎え入れた当初の)食事量を与え続ける飼い主さんが時々いらっしゃいますが、子犬は日々成長しています。

特に中型犬、大型犬は成長が早いので、成長に応じて分量を増やしてあげましょう。

1日に与える食事量の目安はフードのパッケージに記載されていますが、成長著しい生後4~5か月齢あたりまではお腹を壊さない範囲内であれば目安量以上(食べるだけ)を与えて頂いて構いません

食事の分量を増やしたことによって便が緩くなってしまった場合は消化能力が追いついていないサインなので、便が緩くなるか否かの分岐点を上限と考えましょう。

なお、ドッグフードは銘柄(種類)によってカロリーが異なります。

1日に与える食事の目安量として『子犬の頭の大きさ程度』というざっくりとした換算法もありますが、フードを変えれば1日に与える目安量(グラム数)が違ってくることも知っておきましょう。

フードの与え方は?

フードは軽く浸る程度のお湯で5~10分程ふやかして人肌に近い温度で与えましょう。

この時、熱湯でふやかすと栄養分を破壊してしまう場合がありますので熱過ぎないお湯を使用しましょう。

フードの種類によってはふやけ難いものもありますので、ふやかす際にラップなどでフタをすると早くふやけます。

ふやかした後に水分が余った場合はそのまま与えてください。(水分を捨ててしまうと栄養分も捨ててしまうことになります)

今まで(ブリーダー宅にて)子犬用の粉ミルクや肉類の缶詰フードをドッグフードに混ぜて与えていた場合は、それらも用意しておきましょう。

粉ミルクを与える場合は、小さじ半分~1杯程度を目安にそのままふやかしたフードに振りかけて混ぜ合わせます。

肉類の缶詰フードを与える場合は、あくまでも食欲を増進させるための香り付け程度に与えますので少量で構いません。(大きめの缶詰フードは小分けした状態でラップに包み冷凍庫で保存すると良い状態で保存できます)

ドライフードは生後90日齢頃までには原型(カリカリの状態)に切り替えられるように、ふやかし具合(水分)を徐々に減らしていきましょう。(ふやかしたフード以外にカリカリの状態のものを少量添えて慣らしてあげても良いでしょう)

飲み水は?

ワンちゃんたちにとって最適な飲み水は“水道水”です。

人間が飲むのもためらような水道水(そこまで酷いものはないと思いますが…)は別として、基本的には水道水がベストです。(浄水器を通した水道水でも問題ありません)

ミネラルウォーターに関しては“硬水”に分類されるものが結石の原因となる恐れがあることから犬の飲み水には不向きという考え方が一般的ですが、それには否定的な意見として『飲み水の問題よりも食習慣が最たる要因』といった意見も見聞きしますので、どちらにしても水道水が無難と言えるでしょう。

お迎え直後のストレス等により食欲がない子犬や極度の疲労を感じている子犬は低血糖症状によりさらに体力を低下させてしまう場合もありますので、飲み水に少量のブドウ糖を混ぜるなどして糖分を補給させる工夫が必要です。

甘さの目安はスポーツドリンクを少し薄めた程度で、スポーツドリンク(ポカリスエットが最適)自体を薄めて与えてもOKです。