ハウスって必要なの?
ペットとして飼育される犬たちは我々人間のパートナー的な存在となりましたが、本来は土に穴を掘り、巣を造って暮らす(休む)狼を祖先とする動物です。
そんな犬たちが人間社会の中で(ペットとして)暮らしていく上でも、当然のことながら巣に代わるハウスが必要となり、ハウスで過ごさせることによって人間と犬の立場の違いを自然に理解させることにも繋がる(しつけの面でプラスに作用する)のです。
そして、成犬になった時に『ハウス=自分のテリトリー』であることがしっかり理解出来ていれば、ハウスに自由に出入り出来る状態での飼育(ハウスがある状態での放し飼い)に移行しても良いでしょう。
すなわち、ハウスはペットにとって必要不可欠なものなので、これから子犬を飼育される方も、既に愛犬と暮らしていらっしゃる方も、必ず飼育環境や犬種に見合ったハウスを用意してあげましょう。
ハウスの種類とサイズは?
犬のハウスには色々なタイプがありますが、大型犬や中型犬、跳躍力のある小型犬にはケージタイプ(屋根付き箱型)のハウスを用意してあげましょう。
また、チワワやヨーキーといった特に小さな小型犬でしたらサークルタイプ(屋根なし囲い型の4面サークル)のハウスでも大丈夫ですが、犬の習性として全方向を覆われた空間に安心感を得ますので、おすすめはやはり天井の付いたケージタイプです。
>>> 【参考】ケージタイプのハウス
屋外飼育犬の場合もケージタイプのハウス、もしくは犬舎タイプのハウスを用意してあげましょう。
ハウスのを選ぶ際の目安は、成犬時に身体全体がすっぽり収まって休めるスペースと最低限の排泄場所が確保出来るくらいを目安として考えましょう。
そのサイズ感でハウスを選ぶと身体が小さな子犬の時期はハウスが大きく感じてしまいますが、生後半年あたりまでは急激に成長し、生後10ヶ月齢頃にはほぼ成犬の大きさに成長しているのであまり気にする必要はありません。
ハウスの中は?
子犬の場合、ハウスの中は寝床とトイレスペースが確保出来ていれば問題ありません。
寝床は「ここが寝る場所」と子犬が認識出来れば良いので、ペット用のベッドや丈夫なタオルを置いてあげれば自然とそこが寝床となります。
夏の暑い時期は熱がこもり易いベッドやタオルの上を避けて寝ることがあるので、あえて何も置かない方が良い場合もあります。
また、冬の寒い時期には寝床にペット用電気保温マットを用意してあげると良いでしょう。
寝床は大き過ぎると子犬が落ち着いて休めませんので、身体を丸めてちょうど収まる程度の大きさ(人間の感覚でチョッと小さいかなと感じる程度)が理想的です。
室温は?
生後2ヵ月齢前後の子犬は体温調整がまだ上手にできません。
昼と夜の気温差が10℃以上もあるような場合は健康状態に影響を及ぼしかねませんので、ハウスがある場所を適温にする必要があります。
また、人間の足元の位置にいる子犬は私たちの体感温度よりも低く感じていることが多いため、特に冬場はそういった点にも配慮してあげる必要があります。
近年は北海道など一部の地域を除いて夏場のエアコンが欠かせませんが、可能であれば扇風機などで済ませられるような生活を心掛けましょう。(エアコン慣れした子はエアコンが欠かせない体質になってしまいます)
エアコンを使用する場合でも、人間が涼しいと感じる温度設定は子犬にとって寒過ぎます。
部屋の広さやエアコンの性能によっても異なりますが、設定温度の目安は28℃くらいで充分です。
秋から春にかけて子犬を迎え入れる場合はペット用電気保温マットが必須アイテムとなります。
子犬は兄妹犬と身体を寄せ合いながら”押しくらまんじゅう”状態で眠りますので、側面から温めるためにペット用の湯たんぽなどを併用しても良いでしょう。
基本的に犬は寒さに強く、暑さに弱い動物です。
一部の短毛犬種を除いて、成犬になればまず暖房は要りません。
季節を問わず、子犬を迎える際には直前まで過ごしていた飼育環境に近い状態を準備してあげましょう。